肩こりについて
肩こりが日本人の国民病だといわれて久しく下記のグラフが示すように、男性、女性ともに自覚症状のある疾患の中で全体の2位が肩こりとなっております。日本国民のほぼすべての人が肩こりという言葉は聞いたことがあるのではないでしょうか。しかし現在のところ肩こりの明確な定義はなく自覚的な症状の表現に基づいています。
日本整形外科学会では首すじ、首のつけ根から、肩または背中にかけて張った、凝った、痛いなどの感じがし、頭痛や吐き気を伴うことがあるとしています。
参考:2022年 厚生労働省 国民生活基礎調査
原因
肩こりの原因は大きく三つに大別されています。
①本態性肩こり
②症候性肩こり
③心因性肩こり
本態性とは、特定の原因疾患が見当たらないときに使われます。猫背などの姿勢不良、長時間のパソコン業務などの同一姿勢、運動不足などで首から肩甲骨周辺の筋肉が緊張し、血流が悪くなり引き起こされるといわれています。
症候性肩こりとは、頸椎などの骨の異常、肩関節の機能障害や内臓疾患等が原因で引き起こされる肩こりです。
心因性肩こりとは精神的なストレスや、精神性の疾患に伴って引き起こされる肩こりです。
肩こりを引き起こす筋肉
肩こりを引き起こす筋肉で代表的なものは、僧帽筋、菱形筋、板状筋、肩甲挙筋などがあります。どれも首や背中の骨から肩甲骨に付着します。
肩こりかなと感じたら
肩こりを感じたら最初は整形外科を受診しましょう。接骨院や鍼灸院、マッサージ院では症状から肩こりだろうと推測はできても本当にただの肩こりかの診断はできません。頸椎に異常があるかもしれませんし、内臓からのものかもしれませんので、まずは整形外科で診断を受けてからその後の治療方針を決めていかれるのが良いと思います。
肩こりに対する鍼灸
肩こりに対して鍼灸は効果がある可能性が高いです。
鍼灸には血流改善や自律神経を整える効果があります。肩こりを起こしている筋肉が深層にあっても、鍼で刺激を加えることが可能です。
肩甲骨周りの筋肉を鍼やお灸で緩め、手技により肩甲骨の動きを誘導して出やすくしてあげることによりつらい肩こりも改善に向かいます。
まとめ
上記で記載したように、肩こりは筋肉が緊張してしまったことにより引き起こされます。
そのため硬くなった筋肉を緩めることができれば肩こりは改善します。
温めてほぐすでもよいですし、ストレッチなどで筋肉を伸ばし血流を改善させるでもよいです。
ただ自分でのセルフケアは中々持続させることが大変です。
自分だけの努力では改善しなさそうだなと感じたときは、鍼灸やマッサージなど試してみてはいかがでしょうか。