肩こりがある方は一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか?
何年か前から「肩甲骨はがし」って流行りだしましたよね。
実際に肩甲骨が背中からはがれるわけじゃない(はがれたら困るw)ですが、肩こりがひどいと肩甲骨が背中にへばりついてそう、はがしたら動きが良くなって肩こり取れそう、というようにイメージしやすくて上手い言葉だなぁと思います。
肩甲骨はがしとはどういうことなのか考えていきたいと思います。
肩甲骨の動きはどんな?
まず初めに肩甲骨はどんな動きをするかご存じでしょうか?
肩を挙げたり腕を動かすときに肩甲骨は肩関節と一緒に動いています。
解剖学的には肩甲骨の動きは
- 挙上・下制
- 上方回旋・下方回旋
- 外転・内転
この6つの動きを複合的に行うことで、肩関節の動きを補助し広い可動範囲を可能としています。
出典:Blandine Calais-Germain. 新 動きの解剖学. 科学新聞社出版局,2009,p.125
肩甲骨が浮いてくる?
腰に手の甲を当てて、肩甲骨の真ん中くらいまで滑らせるような動きをしてみてください。肩甲骨の内側が背中から浮いてきませんか?俗にいう天使の羽ってやつですね。
肩こりがひどい人はこの動きをしても肩甲骨が浮いてこない人が多いです。背中にへばりついている感じで。実際のところ肩甲骨は肋骨に直接くっついているわけではなく、肩甲骨の内側についている前鋸筋という筋肉が肋骨と接しています。
肩甲骨はがしとは
肩甲骨にはたくさんの筋肉がついています。肩甲骨から背骨に向かってつく筋肉や、腕に向かってつく筋肉、肋骨につく筋肉など多数です。それらの筋肉が硬くなり肩こりが発生し、ひどくなると肩甲骨の可動域や肩関節の可動域も制限されます。
肩甲骨はがしとは、硬くなってしまった肩の筋肉を緩め、肩甲骨がスムーズに動くようにするストレッチやマッサージのことのようです。
まとめ
肩こりの人がみんな肩甲骨の内側に手が入らないというわけではないですが、施術していると最初は入らなかった手が入るようになることがあります。そうすると確かに患者さん側も、「あーすごい緩んだ感じがする!」と仰られます。
肩甲骨をはがすということを目的に施術しているわけではないですが、肩回りの筋肉を緩め、肩こりが改善してくる過程ではがれていく(肩甲骨の可動域が広がる)のだと思います。
一回の施術でガチガチに硬くなった肩甲骨の内側に手が入ることはめったにないですが、何回かの施術で手が入るようになったときは、私も患者さんもやった~!とはがれた感動を共有できるのが良いですね。