肩腱板損傷とは?

腱板損傷とは

肩関節には回旋筋腱板と言われる4つの筋肉(棘上筋、棘下筋、小円筋、肩甲下筋)があります。これらは肩関節を安定させ動かすことができるようにしている大変重要な筋肉です。これらの筋肉を損傷してしまった状態を腱板損傷といいます。

主に棘上筋を損傷してしまうことが多いです。

腱板損傷を起こすとどのような症状が起こるのか、原因は何なのか等書いていきたいと思います。

症状

40代以上の男性に多く発症し、肩を挙げる動作での痛みや夜寝ていて痛みで目を覚ましてしまうなどの症状があります。転倒して手や腕をぶつけてしまい起きてしまう場合だけでなく、思い当たる原因がなくとも急に発症することがあります。

よくある患者様の訴えとして、腕を伸ばして物をとることが辛い、腕を90度付近で挙げ続けていると力が入らなくなってくる、車の運転時ハンドルを持つ手が肩より高いところに来ると痛むなどがあります。

五十肩と違うところは、自力で肩を挙げる等の動きをすると痛みますが、人に支えてあげてもらったりなど他動的な動きでは痛みが生じにくく、関節の可動域には制限が無いことが多いです。

原因

腱板損傷には、はっきりとした原因のある外傷性のものと、老化や使い過ぎにより生じるものがあります。

外傷性のものは、転倒して手をついた際や肩をぶつけた際に起こります。外傷性のものは完全断裂してしまうものがあります。

高齢者の方の場合、腕の使い過ぎなど疲労が蓄積し損傷してしまうことが多いです。

検査

腱板損傷が疑われたら、レントゲンや超音波、MRIなどで診断されます。

損傷の度合いによって完全断裂のものと部分断裂のものに分けられます。

治療

腱板損傷と診断されたもののうち約70%は保存療法で治癒するといわれています。腱板の損傷部が塞がることはありませんが、肩の痛みや可動域の制限は改善します。

病院での保存療法では注射療法と運動療法が行われます。

保存療法での痛みの改善が見られない場合は手術になります。手術後3から4週間の固定と数か月のリハビリを要します。

当院での施術

来院された際、まだ整形外科等を受診されていない場合、徒手検査を行い腱板損傷が疑われたら、紹介状を書き病院での診察・検査をお願いします。

病院での診察の結果、保存療法を選択されることになられましたら、痛みの緩和を目的にハイボルテージや超音波での施術を行います。また損傷部位以外の回旋筋腱板の筋力トレーニング指導を行っていきます。

腱板損傷の場合、残念ながら一回の治療で治るということはほとんどありません。無理をして痛みが長期間続いてしまわないよう、焦らずに治療していくことが大切です。

参考:日本整形外科学会ホームページ,(2024,5/22取得,「肩腱板断裂」|日本整形外科学会 症状・病気をしらべる (joa.or.jp))

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